華やかに彩られた山車を先頭に、「ヤッショ、マカショ。」の勇ましい掛け声と花笠太鼓が高らかに真夏の夜に響き渡るなか、『花笠音頭』に合わせてあでやかな衣装に身を包んだ1万人を超える踊り手の躍動感あふれる踊りと、山形の花である『紅花』をあしらった笠の波がうねり咲きこぼれ群舞を繰り広げます。
以前は一糸乱れぬ正調花笠踊りの集団美が『山形花笠まつり』の醍醐味でしたが、今は華麗な〝正調女踊り【薫風最上川】〟〝勇壮な正調男踊り【蔵王暁光】〟の他、花笠踊り発祥の地・尾花沢地方のダイナミックな〝笠回し〟や、趣向を凝らした〝創作踊り〟など、多彩な踊りが観客を魅了する真夏の夜の祭典です。
蔵王開山1,250年にあたる昭和38年(1963年)、山形県、山形市、山形新聞社、山形商工会議所などが中心となり、蔵王の観光開発とPRを目的に「蔵王夏まつり」が開催されました。
『山形花笠まつり』は「花笠音頭大パレード」として、この「蔵王夏まつり」のイベントの一つでしたが、昭和40年(1965年)からは単独の『山形花笠まつり』として行う現在の形となりました。
昭和45年(1970年)に開催された大阪万博にて、日本を代表する民俗芸能の一つとして花笠踊りを披露したことから、『山形花笠まつり』の知名度が全国に広がりました。
平成5年(1993年)からは山形新聞社にあったまつりの事務局が、山形商工会議所に移り、会社などの企業がおもだった参加団体も、学校や愛好会などの参加者が増加し、より市民参加型のまつりへと変化していきました。
いまでは3日間で踊り手が1万人を超え、多くの観客を集める大きなまつりとなり、東北を代表する夏まつりの一つとして全国的に親しまれるまつりへと成長しました。
2018「山形花笠まつり」が、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部から「beyond 2020プログラム」に認証されました。
beyond 2020プログラムは、多様性や国際性に配慮した文化活動・事業を政府が認証し、日本文化の魅力を国内外に発信する取り組みです。
山形花笠まつりはこの取り組みを応援しています。
山形県花笠協議会が、2014年度の「高円宮殿下記念地域伝統芸能賞」を受賞いたしました。
山形県花笠協議会が、2014年度の「高円宮殿下記念地域伝統芸能賞」を受賞いたしました。
同賞は、貴重な文化資源である地域伝統芸能の保存・継承と活用を通じて、 地域産業や観光の振興に抜きん出て功績のある団体・個人が表彰の対象です。伝統芸能に造詣の深かった故高円宮殿下の遺徳を後世に伝えるため2003年に創設されました。
山形県花笠協議会は、「山形花笠まつり」の創設、継承、発展に携わっております。また、まつりに加えて国内外のイベントに花笠舞踊団を派遣し、本県の観光振興の一助を担っており「東北有数のまつりに発展させた功績と、踊りの形の伝統を生かしつつ新しい形にも幅を広げている」といった活動が評価され受賞となりました。