花笠踊りについて


花笠踊りとは

従来の踊りは、地域によって笠をかぶっての手踊りや、笠を手に持って回して踊るものなど、10種類あまりの様々な踊りがありましたが、第1回目の花笠音頭パレード(のちの『山形花まつり』)開催に向けてそれらを一本化し、誰でも手軽に踊れる現在の日本舞踊的な新振り付けの「正調花笠踊り~薫風くんぷう最上川もがみがわ~」(通称:女踊り)が誕生しました。その後、平成10年(1998年)には男性的な踊りの「正調花笠踊り~蔵王ざおう暁光ぎょうこう~」(通称:男踊り)を発表しました。
いまでは、華麗な正調女踊り「薫風最上川」、勇壮な正調男踊り「蔵王暁光」の他、花笠踊り発祥の地・尾花沢系の「笠回し系花笠踊り」や、参加者が独自に趣向を凝らした「創作花笠踊り」など、多彩な踊りが加わりました。


花笠踊りの種類

正調花笠踊り ~薫風くんぷう最上川もがみがわ(通称:女踊り)

山形県の「母なる川」最上川を渡る爽やかな風と、稲穂の揺れをイメージした優雅で華麗な正調花笠踊り。第1回目の昭和38年(1963年)から踊られている伝統的な正調花笠踊り

正調花笠踊り ~蔵王ざおう暁光ぎょうこう(通称:男踊り)

蔵王連峰の夜明けと、大地をしっかり踏みしめ、自然の恵みへの感謝をイメージした勇壮な正調花笠踊り

笠回し系花笠踊り

花笠踊り発祥の地・尾花沢系の豪快に花笠を振り回すダイナミックな花笠踊り

創作花笠踊り

参加者が独自に趣向をこらした花笠踊り


正調花笠踊り講座

正調花笠踊り ~薫風最上川~

1

前奏

笠を両手に持ち、膝を九つたたいて調子を揃える。1

2

そろた

笠を頭上にあげて、右足を爪先よりおろすように出し、左手で笠の裏側を軽くポンと打つ。2

3

そろた

出した右足を軽く前に踏み込むようにして重心を移動し、笠を返しながら左足を出して、笠の裏側を打つ。3

アよォォ

さらに笠を返しながら、拍子をとって右足左足と進む。23

4

笠おどり

笠を両手に持って胸の前におろし、右足を左足に揃えて立つ。4

5

そォろォ

笠を、左ひじを打つようにして左横にながし、左足を引く。5

6

次に反対動作で笠を右横にながし、右足を引く。さらに素早く上体を左にひねり、笠を胸の高さにおく。6

7

たァァ

笠を進行方向にのばして右足を出し、つづけて左足を出しながら笠を元の位置に引く。78

8

さらに前に押し出すようにのばして右足を出し左足をあげる。9

9

秋の

上体を素早く右にひねり、前と同じ要領で笠を前後に振りながら、左足より三歩進んで右足をあげる。

10

チョイチョイ

上がっている右足を左足にそろえて立ち、両手の笠をかざす。10

11

出穂よ

上体を右にひねり膝を曲げて眺め、さらに左にひねって眺める。11

12

りィまだ

体を前方向に向けながら、笠でひざを三つ打つ。

揃ろた

笠で膝を打ち拍子をとりながら、右・左足と歩き、三歩めに揃えて立つ。12

13

ハーヤッショ

笠を大きく左上にはずませながら右足を上げ、笠を右横下へながしながら、右足を右下におろして腰をしずめる。1314

14

マカショ

笠を頭上にあげて弾むように左足をあげ、笠を左横下にながしながら、進行方向に背中を向けた形で左足を前におろす。

15

シャンシャンシャン

前と同じ要領で、体を右に回しながら進行方向を向いて立つ。(笠を振りながら、右足より都合三歩で右一回りし、四歩目で立つ)

16

間奏

素早く笠を左下にはずませ、大きく半円を描くようにして進行方向におろしながら、右、左、右足と前へ進んで左足をあげ、そのままの形でピョンと軽く飛ぶ。151617

17

間奏

左足をあげたまま、右にはずみ、同じ要領で左足より三歩進み、右足をあげてピョンと飛ぶ。右足をおろして4の形で一拍待ち、2より繰り返し踊ります。

正調花笠踊り ~蔵王暁光~

1

前奏

笠を両手に持ち、膝を九つたたいて調子を揃える。1

2

そろ

右足を右横に開きながら、笠を頭の後ろへあげる。2

3

たァ

あげた笠で頭を包むようにして右より大きく回し、左ひじを打つように左横にのばしながら右足に重心をかけ左側を見る。3

そろた

前と同じ要領で笠を左より回して右横にのばし、右側を見る。23

4

よォォ

右足を出して笠を前へ伏せ、続いて左足を出しながら笠をくるりと一回転させ、その笠を膝におさめながら右足を左足に揃えて立つ。451

5

笠おど

胸の高さより笠を軽く左下へながして右足を出す。6(左をあおぐような感じで)

6

りィ

前から続いて左足を出し、笠を大きく頭上に振り上げる。7(足踏みから練習して、馴れたところで前に進む)

7

笠を進行方向にのばして右足を出し、つづけて左足を出しながら笠を元の位置に引く。8

8

ろォた

前と同じ要領の反対動作で、あがった左足より三歩前進して、笠を右下へながして右足をあげる。(前の動きからすると、笠で山を描くことになる)

9

秋の

笠を車のハンドルのように右、左、右と回しながら、あげた右足より二歩進み、三歩目に膝を曲げて腰をひくくする。910

10

チョイチョイ

左足を右足に揃えて立ち、笠で膝をポンと打ち拍子をとる。1

11

出穂よ

左足を軽く左横に開いて重心をかけながら、笠で右肩、右膝と打ってから、右上にあげて「山」を見上げる。(肩、膝、眺)111213

12

りィまだ

重心を右足に移しながら前の要領で左肩を打ち、左膝を打って左上を眺める。

左足を右足に揃えながら、笠を右横へぶらりと下げ、左手は腰に当てて立つ。14

13

ろたァァ

右手の笠を右上より左下へ斜めに振りおろしながら、右足を出してはずむように左足をあげる。次に左足を前におろし、さらに右足を左足に揃えて立ち、笠を大きく上から右肩にかつぐ。1516

14

ハーヤッショマカショ

右足を進行方向に出し、笠を二度強く突き上げる。17

15

シャンシャンシャン

左足を進行方向へ出し、同じように二度突き上げる。(エイ、エイ、オーの感じ)

16

間奏

「ソレ!」とかけ声をかけながら、両手の笠をハンドルのように前に構え、右足を左足に揃えてぐっと腰をひくめ、次に両足を同時にパッと左右に開く。18

17

間奏

すぐに23の要領で笠を大きく左横と右横にのばし、さらに45の形で進んで、笠を一回転させて1の形で立つ。すぐに2から繰り返して踊る。

18

注:間奏部分の動きと唄い出し部分とで、同じ動きが二度つづきます。


花笠の種類

花笠踊りに欠かせない花笠は、菅笠に〝やまがたの花・紅花〟をイメージした花をあしらったもので、踊りの種類に合わせて用意されています。市販の花笠以外に、団体が独自で手作りした笠など、思い思いの笠が使われています。


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